減災とは
減災とは、災害による被害を最小限に抑えるための対策や備えです。1994年の阪神淡路大震災をきっかけに広がった考え方であるといわれています。
「減災」と「防災」の違い
災害による被害をゼロに近付けることを目的とする対策や備えが「防災」です。被害を防ぐための取り組みだけではなく、災害や災害被害の予知・予測なども含まれます。
一方、「減災」は、災害により被害が発生することを前提としています。その上で、被害や損害ができるだけ小さく、少なく済むように、あらかじめ対策を講じておくという考え方です。
想定を超える規模で起きた東日本大震災、近年の自然災害の激甚化などを鑑みると、災害による被害を完全に防ぐことは不可能です。減災は、これからの社会において、より現実的かつ合理的な対策であるといえるでしょう。
減災に必要な7つの取り組み
<自助と共助>
自助とは災害発生時に自分や自分の家族の身を守ることで、共助は近所や地域の人たちとの助け合いや協力を指します。
<地域の危険性を把握する>
自分が住んでいる地域について、災害発生時の危険度や避難場所などをハザードマップで把握・確認をしておきます。
<地震に強い家にする>
地震発生時には、建物が倒壊する危険性があります。耐震診断などを受けて、必要に応じて補強や改修を行い、耐震性を高めます。
<家具を固定する>
家具の転倒による負傷を防ぐために、家具の固定などの転倒防止策を講じます。特に子供や高齢者の居室、寝室は安全を確保する必要があります。
<日頃から備える>
災害発生時に備えて「外出時には常に持ち歩くべき物」「自宅や職場に常備する物」を揃えておきます。前者は身分証明書・水・ハンカチ・スマートフォン・お薬手帳など、後者は水や食料、常備薬、懐中電灯などです。
<家庭内で防災会議をする>
災害発生時の連絡方法や安否確認方法、集合場所、避難場所などを共有しておきます。時間帯によっては、家族全員がそれぞれ違う場所にいる可能性もあるため、事前の確認や申し合わせが重要です。
<地域のつながりを大切にする>
災害発生時に助け合う(共助)ためには、日頃から近隣・地域の人たちとコミュニケーションをとっている必要があります。町内会や自治会による避難訓練・防災訓練への参加も減災の取り組みのひとつです。
減災とリフォーム
太陽光発電システムの導入、タンク付き給湯器の設置、雨水タンクの設置といった、ライフライン確保のためのリフォームは、減災に向けた取り組みといえます。また、室温の維持を目的とする断熱リフォームや地震対策の耐震リフォームも減災の効果を高めます。
住まいをより快適にするためのリフォームですが、防災減災の観点からも考えてみましょう。
(資料出所/CFC) |