防災リフォーム|火災対策(外部からの延焼)
地震、水害と同様以上に怖いのが火災です。火災に強い家にするためのリフォームポイントを整理します。
火災対策での地域区分
火災対策に関しては、都市計画法が定める区域にある建物は、既に一定の防火性能を有している場合もあります。地域区分は以下のとおりです。
・防火地域
商業施設が多い都市中心部、幹線道路沿い等、火災が発生しやすい、または、火災が発生した場合の被害が大きいと想定される地域。
建築物には不燃材料や耐火性能のある材料を使用しなければならない等、厳しい規制が課せられています。
・準防火地域
準防火地域は、基本的に防火地域の周辺に設定されています。建物の階数によって規制は細かく分けられていますが、防火地域よりも緩和されています。
・法22条区域
建築基準法22条に基づいて定められた地域で、準防火地域の周辺に設定されているのが一般的です。法22条区域においては、屋根には不燃材料を使用しなければならないという規制があります。
建物の防火・耐火性能を高めるには
上記の地域に該当していない場合は、防火・耐火性能が不十分な建物であるかもしれません。また、法定地域であるとしても築年数が経過していると、防火・耐火性能が低下している可能性もあります。
火災対策の主な目的は、近隣で火災が起きたときに延焼を防ぐことです。飛んできた火の粉から建物を守るために、建物の外側部分の防火・耐火性能を高める必要があります。
<屋根>
耐火性の高い屋根材としては、金属系やスレート系が挙げられます。金属系の屋根材のなかで耐火性が高いのは「ガルバリウム鋼板」「ジンカリウム鋼板」で、耐久性にも優れています。
スレートとはセメントに繊維を混ぜて板状にしたもので、最も普及している屋根材です。軽量で安価であるという特徴があります。
<外壁>
外壁材の中で耐火性が高いのは、窯業系サイディングや金属系サイディングです。窯業系サイディングとは、セメントに繊維を混ぜた板状の外壁材で、日本の外壁の8割を占めています。金属板を加工し、断熱材で裏打ちした金属系サイディングは、耐火性に加えて断熱性にも優れています。
<開口部(玄関・窓)>
玄関には、防火ドアや防火扉と呼ばれるドアを取り付けます。防火性能を持つドアは、燃えにくい素材や耐火ガラスが使われており、変形を防ぐための補強も施されています。
窓の防火ガラスは、割れても破片が飛び散らないように網が入っているタイプと、網のない耐熱強化ガラスの2種類です。また、火が入り込むのを防ぐ防火シャッターもあります。
火災に強い家とは、もらい火=類焼に強い家とも言えそうです。
(資料出所/CFC) |